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乐动体育_乐动体育app-滚球|平台4年度 情報科学芸術大学院大学 学位記授与式 学長式辞(2023年3月9日)

2023年3月9日、令4年度 情報科学芸術大学院大学 学位記授与式を開催しました。授与式では、在校生の有志による第21代リンガーズが《イアマス?リンギング》を演奏しました。

 

乐动体育_乐动体育app-滚球|平台4年度 学位記授与式 学長式辞 (2023年3月9日)

学長?鈴木宣也

修了を迎えられた皆さん、誠におめでとうございます。教職員とともに、皆さんの修了を心よりお祝い申し上げます。また、皆さんを支えてこられましたご家族や関係者の皆様へも感謝を述べるともにお祝い申し上げます。

さて、皆さんは、乐动体育_乐动体育app-滚球|平台感染症の蔓延という厄災のなかで、入学当初より制約を受けながら授業や研究を過ごされました。入学前まで全く予期していない経験をされたことでしょう。授業のみならず、日常的な語らいも対面では自由にできない、つらい日々を過ごしたことと思います。大学としても支援のために教職員ともども様々な対応をしてきました。そのような中、こうしてお顔を拝見することができて嬉しく思うと同時に、皆さんは本当によく頑張ったと思います。ここにあらためて感謝します。

そのような状況においてオンラインにて授業が実施され、場合によっては対面授業より効果的ということもあったかもしれません。一方で、これまで気にしていなかった、人と人との直接的なコミュニケーションの中に、実は非常に重要なことがあることに気付くこともあったかと思います。

それは、身体性や、空間、時間を共有することによる、共感のような、他者への思いやり、あるいは配慮といったものも含まれるのではないでしょうか。私たちは五感という全ての感覚を用いて、無意識のうちに、その場のあらゆる情報を感知するだけではなく、話し方や仕草、状況や話しの文脈など、それらを総合して対話的コミュニケーションをおこなっています。

そうした対話による人とのつながりは、個人の新たな挑戦を支える働きがあると言われています。その人が必要な時に助けや励ましのある関係は、個人の新たな挑戦や発見、成長を促す要素になるのです。

フィルタバブルのように好みに合わせたニュースや投稿だけに触れるような閉鎖的な社会では、自分の世界観に疑問を持ったり、視野を広げる機会は失われてしまいます。新しい価値観や世界観を再発見していくためには、異質なものに触れ、自らで化学反応を起こすことが重要です。そのためには、多様な人とのつながりを持てているか、自分の視野を更新できるか、そして、社会が向かっている先を、どのように見通すのか。それらは、人と人との細やかで豊かな関係性を育むこと。特に、修了する仲間や、IAMASに関係する仲間など、共感し合える多様な人たちと、関係を持ち続けることが必要ではないでしょうか。今後もこのかけがえのない関係を大事にし、これまで以上に人との対話を大切にしていかれることを願っています。

また、近年、想定外の出来事が頻繁に起こっています。感染症のみならず、気候変動や食糧危機、あるいは争いや経済危機など、社会全体が大きく揺らぐ可能性があります。そのような世の中を生き抜くには、真理を見極めながら、変わり続ける環境への対応力が要求されるのではないでしょうか。それは変化に対する柔軟性を高めることとも言えます。柔軟性を高めるためには、自分自身で挑戦し、新しい経験を積むことが必要です。そのためにも、仲間との関係はもちろんですが、更に重要なことは、自分を見失わないことだと思います。自分の感覚を信じて、変化に振り回されることなく、じっくりと自分に向き合いながら、この困難な世の中を生き延びることが、IAMASを修了した経験を活かせる皆さんには必ずできるものと確信しています。

私は2年前の入学式で皆さんに次のことを言いました。「真理を探究するために大学では失敗することが許されています。『制作の知』とは、その失敗の積み重ねのプロセスから見出すことのできる知をさしています。皆さんには失敗を恐れず、失敗することの勇気を持って、研究に望んでいただきたいと思います。」と。

今回の修士研究発表会では「失敗することの勇気」というタイトルにて開催されました。研究を進める中で、時には失敗し、凹んだこともあったのかもしれません。しかし、歩みを止めず、進み続けた努力の結晶が凝縮され、成果はどれも素晴らしく誇れるものばかりでした。

それは、皆さんが「自分で考えること」つまり、そこに批判的な思考が身についていたからだと思っています。ここで言う批判的な思考とは、他者を非難するとか、攻撃すると言う、否定的な意味ではありません。物事を鵜呑みにするのではなく、事実を見極め、自らが物事を細やかに観察し、思考プロセスも含め検証することによって、その真理とは何か、慎重に検証を重ね見極めることです。問題自体を見つけることも難解で、問題解決がまた別の問題を生むような、社会が複雑化している状況だからこそ、多様な見方が求められているはずです。無論、そうした中で、皆さんは、研究テーマを自ら立て、失敗を恐れずに修士研究を進め成果を出しました。その成果はそれぞれの専門において、皆さんが自分の感覚を信じて自律して考えた結果であり、さらに、失敗しながら実践した結果を修士研究として見せてくれたのだと思っています。

皆さんは、この考える力があります。この考える力を使って、自信を持って社会を牽引していって欲しいと思います。また、研究し続ける姿勢こそが未来を切り開くためには重要です。互いを支え合いながら「失敗しても大丈夫」と思えることが、挑戦する勇気をくれるのです。是非、研究し続けてください。